会社の後輩が300BARで彼氏を作ってきたので友人のミキちゃん(30)を誘って行ってきた。
300BARとは飲み物も食べ物もALL300円の立ち飲みバーで、
調べたところ、300BARはどうやら銀座界隈に3店舗あるらしい。
後輩が彼氏を作ってきたのは銀座8丁目店らしいのだが、8丁目店は新橋寄りで5丁目店の方が銀座の真ん中にある。
ゲスい私たちは、よりいい男が集まりそうな5丁目店に向かうことにした。
営業時間は17:00〜2:00。
私の会社の定時は18:00。
ミキちゃんは17:30に「付いたよ^^」とLINEを送ってきた。
早い。
まだ私は会社を出ることはできない。
だがしかし仕方がない。
妖精になってしまったミキちゃんは未来の彼氏にいち早く会いたいのだ。
ミキちゃんにはその辺で時間を潰してもらい、18:10には合流した。
早い。
定時10分後に合流する私。
だがしかし仕方がない。
いい男が17:00に入店していたら周りのライバルが放っておくはずがないのだ。
いち早く我々も入店する必要がある。
有楽町駅から5丁目店には迷わず着くことができた。
ドキドキしながら入店すると、まだ店には3組しか客がいなく、うち1組はカップルだった。
カップルでこんなところに来てどうするのだろう、と思ったが、そんなことに構ってはいられない。
と思ったが、今考えると1人ずつ来ていたのかもしれない。
残りの男性2人組×2組をさっと見る。
推定30代前半のフツメン2人組と推定40代のギラ男と推定30代のだいぶ冴えない男の2人組だった。
とりあえず空いている場所を陣取り、
「どうする?注文する?どうやるの?」
などとモジモジうだうだしていると、冴えない男に声をかけられた。
ギラ男からお使いに出されたらしい。恐らくギラ男は上司なのであろう。
私は思った。
どちらもタイプではない。
でも、どちらかといえば当たり前だが30代のフツメン2人組がいい。
なんなら、どちらとも飲まずに第3・第4の男を待てばいい。
そんな私の空気を察してか、冴えない男はい言った。
「奢るよ」
私は思った。
この場で「奢るよ」は何の効力もない。
なぜならここは300BAR。
一品たったの300円でしかないのだ。
何なら奢ってもいいからイケメンと飲みたい。
ミキちゃんに「どうする?(断るよね?)」と聞いた。
ミキちゃん「いいよ。飲もう」
ふぇっっっっ!?
雑食すぎるだろミキちゃん。
しかもミキちゃんの顔を見ると仕方なく、という風ではなく嬉しそうである。
失礼ながら、妖精ともなると誰でもいいのか・・・と思った。
フツメンに後ろ髪ひかれながら(そもそも誘われていないが)ギラ男の方へ連れて行かれた。
そしてなんと4人で飲むのではなく我々はバラされ、ツーショットになり、私はギラ男担当になった。
ギラ男はなかなか攻めてきた。
自分の酒にストローを2本指し、まるでトロピカルドリンクのごとく、一緒に飲もうと言い出した。
私は全力で拒否した。
私の全力ぶりにギラ男も若干引いていた。
この世界ではこのノリが普通なのか。
そしてギラ男は私に囁いた。
「どんなオ○ニーしてるの?」と。
私は逃げた。
「ミキちゃん!!帰る!!私帰るー!!」と半泣きでミキちゃんに叫んだ。
ミキちゃんは私を見て尋常じゃないと思ったのであろう。
「帰る?うん。わかった。帰ろう。うん」とすぐに荷物を持って店を出てくれた。
飲み物1杯と食べ物一品、しめて600円(しかも食べ物はギラ男とシェアなので450円といってもよい)
を奢られただけでオ○ニーなどと言われ、私はなんて安い女なんだと思った。
「たった600円でwwwww」とミキちゃんと笑った。
時間はまだ19時。
夜はこれからである。
この不完全燃焼をどうすればいいのか。
私は言った。
「8丁目店、行こう。」
次回に続く